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カレル(左側)
……▼
ここは 人々の記憶から
埋もれた地だよ▼
時を忘れ 年月を重ねた
そんな場所だという▼
ノア:
カレルさんは
ずっと あの村に?▼
カレル:
いや▼
ここへ来るまでは…
剣の道を求め 旅していたね▼
長い間…
あちらこちらを…▼
ノア:
では…
イリアにも来られたことが?▼
カレル:
…昔 ね▼
カレル(左側)
…さあ▼
ノア:
おれは よく母から
その名を聞きました▼
おれがまだ
赤んぼうだったころ…▼
おれの故郷の村を
山賊が襲ったことがあるんです▼
カレル:
……▼
ノア:
そのとき 村の宿にいたのは
サカの旅人が一人▼
彼は一言も口をきかずに
村の門へ出かけ…▼
またたく間に
賊を一人残らず斬って捨てた▼
そして そのまま
風のように去っていったと▼
カレル:
……▼
ノア:
その人が村を救ってくれなかったら
今おれは ここにいなかったはずです▼
だから おれにとって
剣聖の名はずっと▼
カレル:
…それは違うな▼
ノア:
…え?▼
違う…?
どういうことですか?▼
カレル:
……▼
ノア(右側)
カレルさん…▼
カレル:
あのときのこと…
やはり話しておこうか▼
己の不明を恥じて 黙するのも
道に外れたことだからね▼
ノア:
恥じる?
あなたは おれの故郷を…▼
カレル:
違うよ▼
あのときの私は…村を救おうなど
考えていなかったんだ▼
ただ
斬りたかった▼
ノア:
……▼
カレル:
あの頃の私は 剣にとりつかれた
魔物のようなものだったよ▼
血を満たす相手を求めて
あてもなくさまよっていた▼
人を斬れるのなら
誰でもよかったんだ▼
…たとえそれが たまたま
立ち寄った村の赤子でも ね▼
ノア:
!▼
カレル:
きみが
恩義に感じる必要はないよ▼
後の人々がつけた剣聖の名など…
まやかしなのだから▼
ノア:
……▼
ですが…▼
今のあなたからは
そのような姿は想像もできない▼
おれが思いえがいていた剣聖こそ
今のあなたの姿です▼
いったい
どのようなことが…?▼
カレル:
…何かを失って
気づくこともあるということさ▼
私のおろかさは…
それが遅すぎたこと だね▼
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